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JOURNAL

『美食通信』第4回「白ワインは葡萄品種を楽しむ」

『美食通信』第4回「白ワインは葡萄品種を楽しむ」

『美食通信』第4回「白ワインは葡萄品種を楽しむ」筆者は赤ワイン党ですので白ワインを飲もうという気にあまりなりません。というのも、自分くらいの年齢ですと、子供の頃、世間でワインと言えば、赤玉ポートワインか蜂ハニーワインといったスティルワイン(通常のワイン)ではなく、成人になり、ようやく口にすることになった真っ当な?ワインがTVで盛んに宣伝していた「マドンナ」、あと「リープフライミルヒ(聖母の乳)」、「シュヴァルツェカッツ(黒猫)」といった甘めの安価なドイツの白ワインで正直口に合いませんでした。まあ、ポルトガルの「マテウスロゼ」はまだ飲めた方か、と。という訳で、ワイン=白ワインに良い印象がなく、フランス「料理」の方に傾倒していったのです。ワインの奥深さに気づかされたのが三十歳を過ぎ、ちょうどパリに出かける頃でした。そのきっかけはムートンの84年でしたので、それ以来、ボルドー、ブルゴーニュとフランスの赤ワイン一筋です。 赤ワインの醍醐味はもちろん「渋み」です。酸と渋みのバランス。この「渋み」は果皮、果梗といった部分から抽出されます。その点、白ワインは基本果肉だけですので、果実味と酸で勝負することになります。そこで、葡萄品種が大切になります。そこで、味わいと共にその葡萄品種特有の香りもしっかり押さえる必要があります。それに対し、若き日の安ドイツワインは多くがブレンドものでした。実際、アルザスワインは最上のグランクリュに四つの葡萄品種が名前を連ね、最も手頃なヴァン・ダルザスがブレンド物です。つまり、白ワインでブレンドものは基本避けるべきでしょう。 では、何を基軸に据えれば良いのか。それはまず、「ブルゴーニュ」の「シャルドネ」です。ブルゴーニュが「ワインの王様」と呼ばれるのは、赤も白もただ一つの葡萄品種だけで芸術的なワインを造り出すからではないでしょうか。しかも、南北に長いブルゴーニュの中で、北の飛び地の「シャブリ」から南端のボジョレーの手前の「マコン」に至るまで多様なシャルドネが造られています。その最高峰はやはり、「コート・ドール(黄金の丘)」のボーヌにある「モンラッシェ」、「ムルソー」辺りでしょう。ちなみに、「ロマネ・コンティ」に代表される赤はニュイの方です。 白ワインで最も重い(フルボディ)とされる「シャルドネ」はさらに、樽にかけず酸がしっかりした「シャブリ」型と樽がけして複雑さが増し、熟成を楽しむ「ボーヌ」型に分かれます。さらに「シャルドネ」は世界で最も植えられている葡萄品種でもありますので、それぞれの国・土地の特徴がこれに加わり、価格もピンからキリまで多彩なワインを楽しむことが出来るでしょう。 赤ワインを知ろうと思えば、ブルゴーニュとボルドーを比較して二分法で飲み分けていくのが得策と申し上げたと思いますが、白ワインも同様に飲み進めると良いでしょう。その際、ブルゴーニュ=シャルドネと対照すべきはアルザスワインと考えられます。というのも、ボルドーは数種をブレンドすることでピノ・ノワール単品種のブルゴーニュに対抗したのですが、アルザスは前述のようにグランクリュにリースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカの四種、さらに、ピノ・ブラン、シルヴァネールといった「多数」の単品種のワインを造っているからです。リースリングはドイツワインの主品種ですし、ピノ・グリ(伊ではグリージョ)はイタリア北部で上質のワインを生み出しています。また、白ワインの中で最も香りの強いゲヴュルツトラミネールはほぼアルザスに限られるなど、アルザスワインを知ることで白ワインの様々な葡萄品種とその地域分布・特性などを知ることが出来ます。 もちろん、フランスだけでも他に、ロワール地方の「シュナン・ブラン」、「ミュスカデ」、ボルドーの「ソーヴィニヨン・ブラン」そして貴腐ワインに欠かせない「セミヨン」などがありますが、それはまたの機会に。ここではローヌ地方で「コンドリュー」というアペラシオンを名乗るワインを造る「ヴィオニエ」種を挙げておきましょう。昨今は世界中で造られているようですが、極めて限定的な地域で造られしかも早飲みの高級白ワインという変わり種。桃や花の甘やかな独特の香り、酸が強くないのでリッチでオイリーな味わいと表現されることも。中でも「シャトー・グリエ」は「ロマネ・コンティ」同様、それだけで一つのアペラシオンを名乗れる秀逸な畑。「コンドリュー」と記憶され、機会があれば是非一度、お試しあれ。 そして、最後に日本にも「甲州」という世界に認められた葡萄品種があることをお忘れなく。「シュール・リー」製法によって、発酵後すぐ澱引きせず、酵母のコクや旨味をワインに与えることで、爽やかな「コクとキレ」という日本人好みのワインが造られています。日本ワインは「白が主」であることを再確認していただければ幸いです。今月のお薦めワイン シャルドネ最良の魅力をリーズナブルに堪能する「サン・トーバン プルミエクリュ ル・シャルモワ 2014年 ドメーヌ・オ・ピエ・デュ・モンショーヴ」 6300円(税抜)本文で白ワインの最高峰はブルゴーニュの「モンラッシェ」、「ムルソー」辺りであろうと書きました。これらはブルゴーニュの中でも「コート・ドール(黄金の丘)」と呼ばれる地域のさらにコート・ド・ボーヌと呼ばれる部分にその畑があります。樽がけすることもありますが、酸と果実味という白ワインの基本的特徴のほかに、ナッツ、ハチミツといった独特の香りや味わい、熟成に耐え、黄金色に変化してリッチで複雑な美味しさが堪能できるという秀逸さ。しかし、最低でも一万円からを覚悟しないといけません。そこで、もう少しリーズナブルにこうしたシャルドネの良さを楽しむにはこれらの周辺にある村のワインを探すと良いでしょう。その一つが「サン・トーバン」です。サトクリフは「ブルゴーニュの秘められたる宝石の一つ」と評し、良心的な造り手による良質のワインが良心的な価格で提供されていると書いています(『ブルゴーニュワイン』、132頁)。今回紹介させていただくワインはプルミエクリュ畑のもので、作り手はシャサーニュ=モンラッシェ村にメゾンを構えるネゴシアン、ファミーユ・ピカール社の三代目フランシーヌ女史が2010年に開設したドメーヌ。ビオディナミ農法、、手摘み収穫、100%除梗等々手間暇をかけ、品質の良さを追求する姿勢が高い評価を受けています。2014年はヴィンテージもよく、ちょうど最初の飲み頃ではないかと思います。是非、この機会にシャルドネの真髄の一端をご堪能下さい。ご紹介のワインについてのお問い合わせは株式会社AVICOまで略歴関 修(せき・おさむ) 一九六一年、東京生まれ。現在、明治大学他非常勤講師。専門は現代フランス思想、文化論。(一社)リーファーワイン協会理事。著書に『美男論序説』(夏目書房)、『隣の嵐くん』(サイゾー)など、翻訳にオクサラ『フーコーをどう読むか』(新泉社)、ピュドロフスキ『ピュドロさん、美食批評家はいったい何の役に立つんですか?』(新泉社)など多数。関修FACE BOOOK関修公式HP

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『美食通信』第3回 「制服というお洒落」

『美食通信』第3回 「制服というお洒落」

前回、ドレスコード、中でも「ジャケット着用」の可否について書かせていただきました。女性の場合、レストランへ出かけるのに色々な服装を楽しめるのですが、男性の場合、ジャケットやスーツをベースに、シャツ、さらにネクタイやカフスなど、微妙な差異のお洒落具合に気を配る必要があります。これはこれでとても素敵なことだと思うのですが、ほかの服装の可能性はないのでしょうか。 まず、日本人である限り、和装という選択はあります。ただ、日本料理であれば当然ありと思いますが、フレンチでは余りお目にかかったことがありません。履き物が気になります。サンダルなどはアウトというのがマナーですので、草履とかどのように解釈するのだろうか。女性ですと着物もありかと思いますが、男性はなかなか難しいですね。 では、他に着ていくものがないかと言えば、実は「制服」というのがあり得ます。もちろん、職種にもよりますが。筆者はパリで軍服を着た男性をグランメゾンで目撃したことがあります。もう、四半世紀も前のことですが、パリ十六区にあった「フォージュロン」というグランメゾンでのことです。筆者が出かけていた頃は二つ星でした。十六区は保守的な右岸(リヴ・ドロワット)の高級住宅街で、晩年のマリア・カラスなどが住んでいました。筆者が出かけた頃はロビュションもポアンカレ通りにありました。フォージュロンはトロカデロ広場のすぐ近くにありました。トロカデロ広場にかかるイエナ橋を渡ると目の前にエッフェル塔があるというロケーションです。 料理もそうですがクラシックな店で、店構えや内装なども「ブルジョワ」という言葉がピッタリ。当時としても珍しかったのですが、食後にシガーのワゴンサーヴィスがあり、必ずやゴロゴロと音を立てながらワゴンがどのテーブルにもやって来て、「シガーはいがかしましょうか」とメートルに尋ねられるのです。嗜む者はほんの少数で、ほぼ儀式化していたのですがそれがまた味わい深いというか、独特の雰囲気を醸し出していました。筆者がこの店によく出かけたのは、ジャンボンさんという世界一になった(田崎真也氏と同じコンクール)ソムリエがいたからで、このソムリエのワインリストが素晴らしかったからでした。 そんなフォージュロンを訪れたある日、若いカップルが客にいました。驚いたのは男性が軍服を着ていたのです。男性というより青年いや少年といってもよい顔立ちで、なんとも初々しい。軍服も礼装用なのでしょうか、宝塚歌劇団の『ヴェルサイユの薔薇』でアンドレが着ていそうな(オスカルではありません)スマートでお洒落ないで立ちでした。ナポレオンコートなどフランスの軍服はファッションに転用されていますし、良くも悪くも古色蒼然としたレストランにふさわしく、かつ華を添えてくれていました。本人はグランメゾンなど初めてで何を着て行ってよいか迷った挙句、礼装用の制服を着てきただけかもしれませんがこれはこれで見事なコーディネイトでした。では、これはフランスならではのことかと言えば、筆者は日本でもフレンチで制服を着た方々にお目にかかったことがあります。それはパリに出かけるさらに前ですので三十年近く前になりますがクリスマスディナーの席でした。当時、クリスマスは若者の一大行事で、都内のホテルやレストランは一年前から予約しないと取れない場合がありました。しかも、ディナーは二回転、三回転とまともな食事の体を成していませんでした。そこで、筆者は御殿場に新しくできた「オーベルジュ・ブランシュ富士」でクリスマスを過ごすことにしていたのです。御殿場駅からタクシーで十五分ほど山中湖に向かう国道138号沿いにあったオーベルジュで1991年に開設、一度改装を経て2013年に閉館しました。さすがに雪さえ混じることもある冬のさなかにここまで人は来ないので、静かなクリスマスを過ごすことが出来ました。ところがある年のクリスマスイヴの夜、ディナーをしにレストランへ降りていくと制服を着た団体の方々がいらっしゃったのです。宿泊客は自分たちを含め。二、三組だったと思いますので、制服を着た方々のほうがはるかに多かったのです。ご存じのように、御殿場には陸上自衛隊の演習場や駐屯地があります。調べますとすぐのところに、富士駐屯地があり、そこには学校や病院もある模様。おそらく、そこの関係者のお偉い方々の忘年会を兼ねた会食ではないかと。長いテーブルに制服を着た自衛隊員の方々がずらりと並んで会食されている光景を目にしながら、クリスマスディナーをいただくのも一興でした。本当にマナー良く静かに食べられていて感心した記憶があります。その制服もフランスとは違って地味ではありますが、颯爽としてカッコいいものでした。ただ、階級などの違いはあるのでしょうがどの方も同じ服装でそれはそれで壮観でした。こうして考えてみますと、制服ということでしたら、警察とか消防でも礼装用があるかと思いますし、パイロットやCAもありそうですが、そのような制服でレストランに来られることはまずないかと思います。今後ますますジェンダーフリーの世の中になっていくでしょうから、ドレスコードも変化していくかもしれません。まずはスーツやジャケットの中で微妙な差異を楽しむお洒落を身に着けていくことこそ、新たなファッションへと繋がる道だと考える次第です。今月のお薦めワイン  イタリアワインでジビエに合わせるとしたら?「ゲンメ 2011年 ロヴェロッティ」 6800円(税抜)ジビエと言ったらフレンチばかりではありません。イタリアンだって黙ってはいないでしょう。イタリアンにあってフレンチにないのはパスタ料理。ジビエを使ったパスタ料理に合うイタリアワイン。ヒントは前回のポマールです。イタリアワインでポマールに相当するワインを探せばよいのです。フランスワインの二大産地はボルドーとブルゴーニュ。イタリアワインの二大産地はトスカーナとピエモンテ。ボルドーはトスカーナに。何故なら、サッシカイアといったボルドーの葡萄品種を用いる銘酒も造っているから。ブルゴーニュはピエモンテに。どちらも単品種(ピノ・ノワールとネッビオーロ)からのワイン造り。ポマールはブルゴーニュでボーヌでした。ブルゴーニュの赤のメインはニュイ。ということは、ピエモンテのメイン(バローロとバルバレスコ)が州の南部ですので、州の北部のワインを探せばよいのです。その中でお薦めなのが「ゲンメ」。中でもロヴェロッティは「賞賛されている」(アンダースン、『イタリアワイン』)代表的造り手です。北ピエモンテだけで混醸用に用いられているヴェスポリーナが15%、ネッビオーロ85%というのも個性的。香水のような魅力的な香り、口中に広がる味わいも格別。ですので、しっかり空気に触れさせてから飲まれるのが良いでしょう。ジビエの個性に負けない主張を持った美味しさ。エチケットもお洒落です。購入先はアヴィコインラインストアまで略歴関 修(せき・おさむ) 一九六一年、東京生まれ。現在、明治大学他非常勤講師。専門は現代フランス思想、文化論。(一社)リーファーワイン協会理事。著書に『美男論序説』(夏目書房)、『隣の嵐くん』(サイゾー)など、翻訳にオクサラ『フーコーをどう読むか』(新泉社)、ピュドロフスキ『ピュドロさん、美食批評家はいったい何の役に立つんですか?』(新泉社)など多数。関修FACE BOOOK関修公式HP

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『美食通信』第2回 「三つのロビュションとドレスコード」

『美食通信』第2回 「三つのロビュションとドレスコード」

『美食通信』第2回    「三つのロビュションとドレスコード」筆者が島田さんと出会ったのは、恵比寿ガーデンプレイスにあるシャトーレストラン「ジョエル・ロビュション」の一階、『ミシュラン』二つ星の「ラ・ターブル・ドゥ・ジョエル・ロビュション」で行なわれたワイン会でのことでした。同じシャトーの二階には三つ星の「ジョエル・ロビュション」があり、六本木ヒルズにはこれまた二つ星の「ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロビュション」がありますので日本だけで七つ星。本拠地パリでは右岸と左岸に二つ星の「ラトリエ」を二軒持つだけですので、日本人のロビュション贔屓がいかなるものか。ちなみに、日本の一階はフランスでは「零階」ですので、本格のグランメゾンはフランスの一階即ち日本の二階にホールを備えます。例えば、日本では昨年惜しくも閉店した老舗、芝の「クレッセント」などがそうでした。そして、一階は宴会場などに。 ある日、大学に出講する電車の中で携帯に着信があり、折り返し電話してみると高校の同級生が夜、ロビュションに来れるかと。主催するワイン会の記念ディナーを盛大に行なうとのこと。当日来れなくなった方が出たようでピンチヒッターという訳。大人数の宴会が苦手なのでお断わりしようと思ったのですが、招待してくれるというのでロビュションの宴会料理がどの程度のものか確かめたくなり、出かけることに。宴会なので当然、一階の「ターブル」だと。承諾すると友人は「ところでジャケットは着ているだろうね」と聞くではありませんか。筆者は講義の際、ジャケットを必ず着るようにしています。そこで「着ている」と答えると「それならよろしい」と来場をお許しいただけた次第。しかし、筆者のジャケット着用はお洒落でも権威付けでもなんでもなく、貴重品などを身に着けておくとか、チョークで汚れてもよいようにいわば作業着感覚で実用的な発想からのこと。 実はこの時、筆者の脳裡にはかつて二階のメインダイニングに出かけた時のことが。それは1994年秋の開店から少し経った1995年の二月頃だったと。しかも、当時は「ジョエル・ロビュション」ではなく、「タイユヴァン・ロビュション」でした。ガーデンプレイス開場の目玉として、鳴り物入りで、パリの三つ星の老舗「タイユヴァン」のサーヴィスと「ロビュション」の料理のコラボ、世界初の「六つ星」だ、と。「タイユヴァン」はジャン=クロード・ヴリナというサーヴィス出身者がオーナーで、そこで地下には「カーヴ・ド・タイユヴァン」というワインショップも併設されました。とにかく予約が取れなくて、ようやく年明けに空きが出て出かけることに。その際、ドレスコードの「ジャケット着用」でちょっとした事件が。 「ターブル」も「ジャケット着用」なのか、と。HPを調べてみると、二階は「男性のお客様はジャケット又は襟付きシャツのご着用をお願いします」とあり、階下の「ターブル」も同じ文言が。ということは、「ジャケット着用必須」はワイン会主催者の意向で格式ある祝宴なのだろう、と。まずいな。案の定、講義を早めに終え、タクシーで駆け付けると着飾った人々の群れが。そそくさと指定された席に着くとヨレヨレのジャケットを着た筆者とは対照的にお洒落なスーツをばっちり着こなした紳士が隣にいらっしゃるではありませんか。この方は常連に違いないと、初めて参加して何が何だかわからない筆者は初対面なのにその紳士にあれこれ聞きまくってしまったわけで。で、その紳士こそ、島田さんだったのです。 ところで四半世紀前、筆者の訪れた二階のメインダイニングは本当に「ジャケット着用必須」だったのです。つまり、現在は認められている「襟付きシャツの着用」は許されていなかった。そこで事件は起りました。その日、筆者に同行したのは教え子でした。当時、筆者はワインを本格的に学び始め、たまたまその学生もワインを勉強していて、講義の後は必ず一緒にワインを飲み歩く仲で、彼の誕生日を祝う会食だったのです。筆者は「ジャケット着用」と聞いていたので念を押して注意したのですが、現われた彼は白地のお洒落なドレスシャツを着ていました。ブランド物でこの日のために新調したとのこと。もちろん、「襟付き」でした。一方、当時尖がっていた筆者はジャケット着りゃいいんだろうとばかりに、ゴルチエのヒョウ柄のジャケットを着て行ったのです。で、悲劇的な結末に。クロークで、彼はひきとめられ、レストランの用意した不釣り合いな冴えないジャケットを着させられたのです。折角のシャツはお隠れになりました。一方、筆者はもちろんお咎めなし。しかし、メートルは明らかに怪訝な顔つきに。彼と言えば、怒りの矛先を探そうにもどうしようもない訳で。何とも気まずい高級ディナーとなった訳です。 この杓子定規さはさすがに現在、なくなったようです。しかも、ヒルズの「ラトリエ」には恵比寿のようなドレスコードは書かれていません。「ラトリエ」は親日家だったロビュションが寿司屋からヒントを得たカウンターが主の店で、パリが二店とも「ラトリエ」であることからもわかるように現在はこのスタイルがロビュションではスタンダードです。筆者は台北旅行の際、「ラトリエ」によく出かけます。台北はまだフレンチが少なく、『ミシュラン』で星を取っているフレンチは「ラトリエ」だけだからです。まあ、気軽なもので皆さん、ポロシャツとか普段着でランチされています。着飾った方もお見受けしますが。もちろん、値段は立派なものです。 こうしてみますと、ジャケット着用の是非というより、グランメゾンにはそれに相応しいお洒落をして行くことが求められているというのが結論です。とすれば、二十五年前の彼は間違っていなかったことになります。まあ、この連載を読まれている方々には自明の理かも知れませんが。それでも逆説的になりますが、筆者はジャケットを着ていくことをお薦めします。それはグランメゾンの場合、テーブルで会計しますので支払いの際、バックをまさぐったり、お尻のポケットから財布を出す等々はやはりスマートではないからです。もちろん、常に誰かが払ってくれ、自分が支払うことのない殿方であれば、それに相当しません。羨ましい限りです。今月のお薦めワイン  ジビエと合わせたい赤ワイン「ポマール レ・ペリエール 2015年 ドメーヌ・セバスチャン・マニャン」 7200円(税抜)そろそろジビエの時期も終わりが近づいてきました。コロナ禍で外食はままなりませんが、昨今はお取り寄せで「家ジビエ」を楽しんでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そんなジビエに合うワインはと申しますと、やはりちょっと「クセのある」ものの方がよろしいか、と。ボルドーであれば、古典的なメドックより右岸のポムロールとか。コート・ドールであれば、やはりニュイよりボーヌの赤。お薦めはポマール村のワインです。ブルゴーニュにしてはタンニンしっかりで飲みごたえもバッチリ。お肉の個性に負けません。今回紹介するのはさらに畑の名前も明記されていますのでワンランク上の味わいが。しかも、2015年はヴィンテージが良いので今飲んでも美味しいですし、まだまだ寝かせることも出来ます。造り手のセバスチャン・マニャン氏はムルソーにあるドメーヌの四代目。1981年生まれで欧米の多数のワイン雑誌から若手の有望な造り手として評価されています。レストラン卸しが主のインポーターさんからの直販ですので完売かヴィンテージ変更の可能性があること、ご了承下さい。前回のシャンパーニュ同様、一般には手に入らないワインですのでこの機会に是非。購入先はこちらのAVICOオンラインストアまで略歴関 修(せき・おさむ) 一九六一年、東京生まれ。現在、明治大学他非常勤講師。専門は現代フランス思想、文化論。(一社)リーファーワイン協会理事。著書に『美男論序説』(夏目書房)、『隣の嵐くん』(サイゾー)など、翻訳にオクサラ『フーコーをどう読むか』(新泉社)、ピュドロフスキ『ピュドロさん、美食批評家はいったい何の役に立つんですか?』(新泉社)など多数。関修FACE BOOOK関修公式HP

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『美食通信』第1回 オールマイティーだが奥深いシャンパーニュ

『美食通信』第1回 オールマイティーだが奥深いシャンパーニュ

『美食通信』第1回「オールマイティーだが奥深いシャンパーニュ」あけましておめでとうございます。そしていよいよ、この『美食通信』も本格的にスタートです。どうか、よろしくお願いします。さて、おめでたい席でのお酒といったら、やっぱりシャンパーニュですよね。フルートグラスの底からツゥーっと一直線に立ち昇る泡、口の中で弾ける炭酸の爽快さ。どれも心華やぐものです。宴席の乾杯だけでなく、フレンチを食べに出かけた際もアペリティフ、つまり、駆け付け一杯、いや、スターターのようなポジションに思われがちなシャンパーニュですが、マナー的には、オードブルからデセールまですべての料理にマリアージュ出来る万能のワインなのです。そう、食前酒から食後酒までそれ一つで通すことが可能ですので、お酒があまり得意でない方は二人でシャンパーニュ一本オーダーすれば、最初から最後まで何も憂うことなく食事を楽しむことが出来ます。デートの際など、やはり二人だけのブテイユ(ボトル)のワインを分かち合うのがお洒落ではないでしょうか。また、通常のワイン(スティルワイン)の場合も抜栓から刻一刻と味が変化して行くのを楽しむのが通ですので、本来ワインはブテイユで注文されるのがスマートです。通常のワインと言ってしまいました。そう、シャンパーニュはスティルワインとは異なります。何処がと尋ねられ、発泡性と答えるのは正解ですがナイーヴな感じ、白・ロゼはあるが赤シャンパーニュは無いと答えるのはまずまず。期待される答えはノン・ヴィンテージが基本ということです。NVと書き、通は「ノンヴィン」と言います。スティルワインでヴィンテージが無いのは通常、最も安価なテーブルワインくらいで、千円以下で買えるチリワインにもヴィンテージは入っています。とりわけ銘酒にとってヴィンテージは重要で、年ごとにワインの出来不出来があり、価格も大きく変わってくるのです。それに対し、シャンパーニュはいつ飲んでも同じ味であることが基本になります。そこで、違った年のワインをブレンドして味を調整してから、瓶の中で二次発酵させ、発泡酒に仕上げるのです。どの作り手の味が好きかという選択を楽しむのです。例えば、「(ヴーヴ)クリコはちょっと酸が強いので、自分はボランジェが好き」とか。この作り手、ボルドーでは「シャトー」、ブルゴーニュでは「ドメーヌ」、シャンパーニュでは「メゾン」と呼ばれるのが通例です。そして、贔屓のメゾンを見つけ、特別な日にはワンランク上のヴィンテージの入ったシャンパーニュを開けるのが通。ボランジェであれば、「グランダネ(偉大なる年の意)」以上の銘酒になります。では、何故シャンパーニュ地方は発泡酒を造ることになったのでしょう。それは使われている葡萄を見ればわかります。シャンパーニュは、シャルドネ、ピノ・ムニエ、ピノ・ノワールの三種の葡萄をブレンドして造るのが基本です。そう、シャルドネ、ピノ・ノワールがブルゴーニュと被ってしまっているのです。スティルワインではブルゴーニュに敵わないので、発泡酒に活路を見出した。その元祖がドン・ペリニヨン師(伝説)という訳です。そして、三種のブレンドを軸として、シャルドネだけで作られた酸の効いた爽やかな「ブラン・ド・ブラン(白の白)」、ピノ・ムニエと(あるいは)ピノ・ノワールの赤葡萄だけで造られたコクのある「ブラン・ド・ノワール(黒の白)」というヴァリエーションがあります。果皮を取ってしまうので赤葡萄(黒)で造っても透明なシャンパーニュ(白)が出来るという訳です。また、実は本来、シャンパーニュでは八種類の葡萄を使うことが許可されていて、この八種類全部を用いて伝統的なシャンパーニュを造る「L・オブリ・フィス」が人気を博し、上記三種以外の葡萄を用いる造り手も増えてきていることを記しておきましょう。では、最後にシャンパーニュの奥深い世界を垣間見させてくれる尺度をお教えしましょう。それは「糖度」です。瓶の中で発泡酒となったシャンパーニュは最後に「デゴルジュマン」と呼ばれるオリ抜きをし、目減りした分に「ドザージュ」と呼ばれる糖分添加をして最終的な味の調整を行います。通常、供される「ブリュット」は辛口という意味ですが、それでも一リットル当たり15g以下の補糖が為されています。昨今は辛口が流行のようで、まったく補糖していない「ブリュット・ナチュール(自然のままの辛口、ノンドゼ、ブリュット・ゼロなどとも呼ばれます)」は3g以下。そこから、50g以上という一番甘い「ドゥー」まで七段階の規定があります。シャンパーニュ愛好家ともなるとメゾンの違いはもとより、この「甘さ」の違いがわかることが必須のようです。とりわけ、珍しくなってしまった「甘口」のシャンパーニュに魅了されるようで。筆者の如き、赤ワイン党には近づきがたい境地に達していらっしゃる。かくも深淵なるシャンパーニュ。ワインの世界は底知れない魅力にあふれています。今月のお薦めワイン  新年を祝うシャンパーニュ「プルミエクリュ キュヴェ ブラン・ド・ノワール NV ドメーヌ・ゴネ・メドヴィル」 6900円(税抜)ブルゴーニュの赤好きの筆者はやはり、シャンパーニュもピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワールを選んでしまいます。通常の三種混合のもの(このメゾンでは「トラディション」と命名)より色は黄色がかり、味もシャルドネの酸がない分、コクを感じることでしょう。飲みごたえのある仕上がりです。今回選んだのは、メニル・シュール・オジェの有名メゾン、フィリップ・ゴネ家の御子息とボルドーはソーテルヌのこちらも有名シャトー、シャトー・ジレットのメドヴィル家の御令嬢が結婚され、2000年にヴァレ・ド・ラ・マルヌのビスイユ村に設立したメゾンのもの。もちろん、レコルタン・マニピュラン(RM、自分の畑で栽培した葡萄のみでシャンパンを造るメゾン)。実家のフィリップ・ゴネはブラン・ド・ブランで有名ですが、こちらはどちらかと言うとピノ・ノワールに力を入れている様子。ブラン・ド・ブランはグランクリュのみ。ブラン・ド・ノワールはプルミエクリュ、グランクリュ両方で造っています。最先端の醸造施設で造られるモダンなシャンパーニュを手頃な価格で楽しめる逸品。購入先はこちらのAVICOオンラインストアまで略歴関 修(せき・おさむ) 一九六一年、東京生まれ。現在、明治大学他非常勤講師。専門は現代フランス思想、文化論。(一社)リーファーワイン協会理事。著書に『美男論序説』(夏目書房)、『隣の嵐くん』(サイゾー)など、翻訳にオクサラ『フーコーをどう読むか』(新泉社)、ピュドロフスキ『ピュドロさん、美食批評家はいったい何の役に立つんですか?』(新泉社)など多数。関修FACE BOOOK関修公式HP

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『美食通信』第0回 初めてのボジョレ・ヌーヴォー

『美食通信』第0回 初めてのボジョレ・ヌーヴォー

みなさまこんにちは、この度The Cloakroom Tokyoのメールマガジンをリニューアルいたします。これまでの新商品の入荷情報やイベントのお知らせに加えて、豪華な連載陣による食やお酒についてコラムなど、洋服やファッションをより一層楽しむための話題を盛り沢山でお届けいたします。今回はリニューアル準備号として関修先生による『美食通信』連載第0回をお届けしいたます。ビシッとお洒落して出かけたい場所と言えばやっぱり素敵なレストラン。素敵なロケーションで美味しいワインと料理の数々、ご一緒するのはご家族、ご友人、恋人などなど楽しい風景が思い浮かびます。エレガントなスーツでタイドアップして大人に楽しむ、The Cloakroomとしてはこんな時間の過ごし方をご提案したいと考えています。関先生の連載ではその豊富なご経験や鋭いご考察がとても為になるお話や、毎月のおすすめのワイン情報や美味しいレストランをご紹介いただきます。レストランごとの格式に合わせた服装の参考になるドレスアップ指数も楽しみにしてください。関先生との出会いはここでご紹介すると長くなってしまうので別の機会にしますが、私のような者にも色々と非常に良くしてくださり大変お世話になっております。「イケメン」「ホスト」「ジャニーズ」などその豊富な研究領域には圧倒されるばかりです。きっとその辺りもそのうち話題にしていただけるのではないでしょうか。2021年には皆様と一緒にワインやお食事を楽しむイベントを企画したいと考えています。今回はプレということで第0回、第1回は年末か年始ごろの予定です。是非お楽しみください。服屋のメルマガとしては異例の文字数かと思いますが内容の面白さには自信があります。お時間のある際にお付き合いくださいませ。The Cloakroom Tokyo島田雅史『美食通信』第0回「初めてのボジョレ・ヌーヴォー」十一月のワインと言えば、ボジョレ・ヌーヴォー。毎年、第三木曜日の午前零時に解禁となります。今年は十九日。今や、スーパーやドンキで売られるプラスチックボトルの廉価なものから自然派の巨匠が創り出すプレミアワインまで種類も価格も様々でどれを選んで良いか困ってしまわれる方も多いかと思います。 筆者は初めてボジョレ・ヌーヴォーを飲んだ時のことを鮮明に覚えています。それは、一九八〇年、大学に入学と同時にフランス料理を食べ歩き始めてから数年のこと。行きつけの店を見つけ、その店でのことでした。時差の関係でフランス本国はもとより先進国でどこよりも早く解禁になるということで、八〇年代後半のバブル期に成田空港までヌーヴォー列車が出て、空港でまさに狂宴が催される前。解禁日が現在のルールになったのが八四年とのことですので、その頃だと思われます。日本に初めて空輸されたのが一九七六年と言われていますのでそれでも十年近く経っていたもののそれまで一度もお目にかかったことはなかったのです。つまり、その当時、ヌーヴォーはまだレストランでしかお目にかかれない貴重なワインだったのです。 フレンチと言えば、ホテルや会館系が主流、街場でもマキシム、レカンなどグランメゾンが中心の時代でした。そんな中、代官山の外れにフレンチなのに何故か「ヴィスコンティ」という名のこじゃれたレストランがありました。平幹二朗氏や小川眞由美氏といった名優が常連で、当時のグルメ番組の代表『料理天国』(TBS)でも紹介されました。父の援助もあって顧客となり、若き廣田亮シェフにも可愛がっていただきました。そして、秋も深まったある日、父と銀行の部下の女性たちとヴィスコンティを訪れたときのこと。シェフがとっておきのワインが手に入ったといって恭しく持ってきたのがボジョレ・ヌーヴォーだったのです。エールフランスのシールの貼られたそのブテイユ(ボトル)はもちろん、ジョルジュ・デュブッフのものでした。ヌーヴォーを世界に広めたのはひとえにデュブッフの功績と言えましょう。そして、それは彼の盟友である「ヌーベルキュイジーヌの皇帝」ポール・ボキューズ氏の協力あってのことでした。ボジョレーはブルゴーニュワインの一つに分類されます。ブルゴーニュワインは、シャブリを有する飛び地のヨンヌ県と北はディジョンから南はリヨンまでのソーヌ河沿いの地域で作られています。その南端、リヨンのすぐ北に位置するのがボジョレー。ボキューズ氏のレストランもリヨンの北10kmほどのコロンジュ=オ=モンドールにあります。この地域の赤ワインは他のピノ・ノワール種と違いガメイという葡萄から作られており、製法も異なっています。ヌーヴォーのみならず、通常のボジョレーも早飲みのワインなのです。これが噂に聞くボジョレ・ヌーヴォーか。フランス料理を学ぶのにまだ精一杯で、ワインに開眼するにはさらに十年ほど時間を要した自分にとって、エールフランスのシール、空輸という威厳は重々しく、六千円という価格も立派でただただ有難く頂戴した次第です。ただし、それ以降、飲んだ記憶もなく、その後ボルドーにはまってしまった筆者にとって、最も遠い存在の赤ワインとなりました。しかし、当時の輸入ワインのほとんどは熱劣化などで傷んでいたのを知る今となっては、あのボジョレ・ヌーヴォーは皮肉にも良好な状態で飲むことの出来た貴重な一品であったのも事実です。昨今のヌーヴォーの多くは早い時期にリーファーコンテナに積まれ船便で日本へと送られてきます。空輸はコストもかかりますし、これだけ多くの方が飲まれるようになれば、空輸だけでは運びきれません。しかし、これも皮肉なことに、このコロナ禍のせいで、今年は乗客の代わりにヌーヴォーを乗せた飛行機が多く来日しているそうです。今も航空会社のシールが恭しく貼られているかは知りませんが、皆さんのお飲みになられるヌーヴォーが何に乗ってこの遠い極東の地までやって来たのか、思いを馳せるのも一興かと思います。最後になりますが、私、関修と申します。大学教員で専門は現代フランス思想、文化論。フランス料理に魅せられて四十年、フランスワイン愛好家歴も四半世紀を超えました。(一社)リーファーワイン協会理事も務めさせていただいております。昨年、敬愛するフランスの美食批評家ジル・ピュドロフスキの『ピュドロさん、美食評論家はいったい何の役に立つんですか?』の翻訳を上梓しました。日本のピュドロになるべく、精進の日々。次回より、本格的に連載を始めさせていただく所存です。どうか、よろしくお付き合いください。今月のお薦めワイン  ボジョレ・ヌーヴォー 「ボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー 2020年 ドメーヌ・メジア」 3980円(税抜)次回の本格的な開始と共に毎回、「今月のお薦めワイン」をご紹介し、購入していただけるよう調整中です。しかし、ここに来て、「明日、羽田にワインが着きます」と連絡をくれたインポーターが。実は高校の同級生で、某フランスの航空会社に勤務していました。その航空会社が顧客にプレゼントする非売品のヌーヴォーがこのメジアのもので、彼はカーゴの責任者としてドメーヌとの窓口になっていました。で、ドメーヌから日本でワインを売って欲しいと頼まれ、独占販売契約権を取得し、退社して販売を開始した次第です。メジアはクリュ・ボジョレという村名ワインを名乗れる村の一つ、シルーブルを代表する作り手。クリュに数えられる村から生まれるヌーヴォーは格上のヴィラージュを名乗れるのです。当然、某フランスの航空会社の飛行機でやって来た、これまで限られた方しか飲むことの出来なかったヌーヴォーをぜひこの機会にお試しあれ。購入先はメジアジャポン エルワインブティックまで。なお、写真ですがエチケットにヌーヴォーの記載はなく、裏のラベルにヌーヴォーとヴィンテージが書かれています。ご了承下さい。略歴関 修(せき・おさむ) 一九六一年、東京生まれ。現在、明治大学他非常勤講師。専門は現代フランス思想、文化論。(一社)リーファーワイン協会理事。著書に『美男論序説』(夏目書房)、『隣の嵐くん』(サイゾー)など、翻訳にオクサラ『フーコーをどう読むか』(新泉社)、ピュドロフスキ『ピュドロさん、美食批評家はいったい何の役に立つんですか?』(新泉社)など多数。関修公式HP

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