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『春風亭与いちの二ツ目日記』第七回「新年」

新年明けましておめでとうございます。
と言いたいところですが、年明け早々からおめでたくないニュースが続き心が痛みます。
そんなことを少しでも忘れて、楽しんでもらおうと方々でお喋りさせていただいております。
毎年、私の出囃子でも使わせていただいている、「八木山ベニーランド」という、地元・宮城にある世界有数のテーマパークで、新春落語会を開催しているのですが、今年も盛況で嬉しい限りでした。
毎年、この会が仕事初めでは無いのですが、地元ということもあり、「今年もやるぞ」という気持ちにさせてくれます。
"学生さん無料!"と謳っているのに、お子さんが1人も来ないことあったこの会ですが、今年はお子さん沢山。

「落語聴いたことある?」
「ない!」
「笑点見たことある?」
「ない!」
「座布団1枚っていうやつ見たことない?」
「知らない!」

もはや清々しいです。
元気はあるけど落語に興味はない。
こういうお子さんの時ほど腕がなります。
帰りに「面白かった」と言ってくれて良い1年のスタートを切れました。
ありがとう、少年。

今年は具体的な目標を3つ設定しました。
1つ目、年間にネタ下ろしを20席すること。
ネタ下ろしをしている独演会が年10回あるので、毎回2席ずつ下ろす計算です。
ただ、これがかなり難しい。
我々プロの落語家は勝手に覚えて口演することが許されておりません。
どなたかに直接お稽古をつけていただき、
1対1で自分が演って見せ、そこでオーケーが出て初めてお客さんの前で演ることが許されるのです。
月に2席覚えることは努力次第でなんとかなりますが、
そのお稽古をつけてくださる噺家とのスケジュールが合わなかったりすると、ネタ下ろしの会に間に合わない…なんてこともしばしば。
昨年は月1席もやっとの状態だったので、とにかく覚えまくって自分の限界に挑戦します。
お稽古が間に合わなければ、翌月3席下ろすつもりでやっていきます。
果たして、その時お越しいただくお客さんにそれが良いのかどうか…。
とにかくしゃかりきにやっていきます。

2つ目、何かしら賞を取ること。
私はこれまで賞レースというものから逃げてきました。
「優劣より好き嫌いの問題だろ」
とか、
「賞取ったって売れない、売れてる人が取ってるだけ」
などど、完全に卑屈になっていました(これは本当に良くない)。
しかしそんなことより、賞を取ると私を応援してくださっている皆さんがきっと喜んでくれる。
胸を張って「与いちを応援してます。」と言っていただけるように賞を取りたいと思うようになりました。
いや、本当に。
こんな拙い落語しかできない自分にお金を払って付き合ってくださる方々にお返しがしたいです。
「じゃあ木戸銭返せ」とか言われても無視しますが。
とにかくエントリーできる大会は全て参加します。
そして、自分でエントリーできない、大会側が出場者を選んでいる賞レースの関係者様!
私、春風亭与いちを是非!
本気で賞取りに行きますので!

3つ目、早起き。
毎朝7:30には起きます。
起きたいです。
いやいや、あのぅ、これが1番難しいかもしれないのですよ。
私にとっては。
この目標を元日に立て、早2週間経ちますが、7:30に起きれたのは僅か1日。
その1日も眠すぎて2時間昼寝してしまう始末。

でも3つ全て達成できるよう2024年も頑張ります。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

略歴
春風亭与いち
1998年4月5日生まれ
2017年3月、春風亭一之輔に入門。
翌年1月21日より前座となる。前座名『与いち』。
2021年3月1日より二ツ目昇進。

 

 

 

 

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