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「酒番日記」映画、音楽、本、時々酒、のこと第12回

酒番日記」 映画、音楽、本、時々酒、のこと

映画「アンタッチャブル」を観た
何回も観ている映画ではあるものの最後まで観た
年齢を重ねるたびに見どころ満載な点に改めて気づいた

禁酒法時代のアメリカ
腐敗と汚職にまみれた行政と警官とアル・カポネに支配された街シカゴ
この街に派遣された財務省の役人が味方の見えない中で悪というものに挑んでいく物語

主役級のスタイリング全般はジョルジオ・アルマーニが担当
財務省の役人として主役を務めるケビン・コスナー
正義を貫くがために出世が断たれたベテラン警官ショーン・コネリー
教科書通りの言動にはまらないため新人警官ながら仲間に抜擢されるアンディ・ガルシア
禁酒法時代に暗躍した実在のマフィアのボス役としてロバート・デニーロ
このキャスティングだけでもおなか一杯な感があるもののそのスタイリングの良さに改めて気づく

ケビン・コスナーの役人らしいスリーピーススーツスタイル
元来スーツというものは三つ揃えではじめてスーツと成すとか
警官として活動の幅が広いアンディ・ガルシアのドレスダウンスタイル

クライマックスを迎える法廷シーン

勝訴を確信して笑みさえ浮かべるロバート・デニーロのブラックスーツスタイル
転じて有罪が確定する場面での白に近いライトグレイのスーツと黒のソリッドタイ
それぞれに深い意味を持たせたながら美しくスタイリングされた数々の場面

しかし、ショーン・コネリーだけは自前の衣装だったらしい
摘発のための仲間に誘われケビン・スナーに会いに行く場面のジャケット
国境をまたいだ密輸を摘発に向かうシーンのニットとブーツ
(このシーンは誰も彼ものスタイリングが素晴らしいので必見かと、とくに乗馬シーン…)
すべてに被る帽子の数々

そういえばある男が口止めのための賄賂をもってオフィスに訪れるシーン
その男は帽子も取らずートも脱がず、反対に迎える彼は上着を着ようともする
英国的には男が室内で帽子を取るのは敵意がない証拠を表すものらしいが

ギャング仲間の会食シーン
アル・カポネの話が終えるまで待つ男たち
ひとり葉巻に火をつけて煙をまき散らす男の裏切りと敵対心を象徴
密売酒の摘発に成功した夜の会食シーン
各々が同じ葉巻をそれぞれに持ち一緒に火をつける祝いの葉巻

細部にわたり演出が施された興味深い内容は男の作法的なものを学ぶ良い教材のひとつかと

そういえばこの映画で脚光を浴びたアンディ・ガルシアの暑苦しいほどの眼光
他にもブラックレインでの警官役、ゴッドファーザーⅢでの時期マフィアのボス、オーシャンズシリーズなど
日本国内で話題になった映画だけを観ても両極端な配役はその眼光からかも

ルールとモラル、行政と市民、腐敗と汚職、正義と悪、そして家族
勧善懲悪と言い切ることが出来ない様々な要素があることに改めて気づかされる映画「UNTOUCHABLE」
そのタイトルにすらセリフに留まらない深い意味があるような、ないような

映画の最後に脱税容疑のみの有罪で懲役刑を確定させ喜びにあふれる役人
新聞記者からの禁酒法自体廃止になったことをあわせた質問にひと言

「大いに飲むよ」

時代と場所と場面を置き換えて考えてみることもしたくなる今日この頃

美しく秋深まる夜更けに

Cannonball Aderley/Somethin'Elseより
Autumn Leavesでも聴きながら
禁酒法の時代に生まれたノンアルコールカクテル「フロリダ」でもいかがかと

令和3年10月吉日


酒番 栗岩稔

栗岩稔プロフィール

「鎌倉THE BANK」「 銀座7丁目サローネ」「木挽町 bar sowhat」「銀座Sony Park Bar Morita」で大人の集う酒場を作り上げ、「人」と「酒」と「酒場」をその歴史や文化から掘り下げ伝えていく。唯一無二、フリーランスの「酒番」として活動。

2021年夏よりWAH!radioパーソナリティ
○Ginza Sony Park https://www.ginzasonypark.jp/
○WAH! Radio https://wahradio.org/

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