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「酒番日記」映画、音楽、本、時々酒、のこと第10回

「酒番日記」 映画、音楽、本、時々酒、のこと

 

 「炎のランナー」を観た

邦題は「炎のランナー」原題は「Chariots of Fire

ウイリアム・ブレイクの序詩からの抜粋で

旧約聖書のなかの「炎の戦車に乗り地上を見下ろす」からの一節とのこと

若い時に観たスポーツの感動の映画とは違った何かを感じる

イギリス権威主義、階級意識、民族意識、宗教観など、たくさんの要素を

 

熱心な布教活動を行うスコットランドのリデル、金融で財を成した一族出身のユダヤ人ハロルド

二人の100メートル走をめぐる戦い、大英帝国の代表としてオリンピックに出場する実話をもとに

描かれているものの、民族的な偏見や差別を色濃く描いている部分を見直すことが出来る

 

リデルが剛健なキリスト教という訳でセリフにも読み取れるスポーツを通して体現する布教活動を終え

帰国した彼のもとに集まる子供たちとラグビー選手としてもヒーローの彼が走る姿

シャツのカラーを外し、ツイードの上着を脱ぎ、子供たちはツイードの上下で半ズボン

 

場面が変わってロンドン

ケンブリッジ大学への入寮を控えたハロルド

戦後のロンドン市内で明らかに階級の違う男たちに荷物を運ばせ、タクシーで向かう

その大学構内でのスクールカラー、ニット、マフラー、帽子など細部にわたる服装で表現する時代

ツイード生地、クレリックシャツ、スクールカラー、シャツ、ニット、帽子本来の意味を知る上でも必見かと

 

セレモニーを終えたハロルドがチャレンジする伝統行事

上質のコートを羽織り同走を申し出る貴族階級の男性の手にはシャンパン、片方の手には葉巻

一方のハロルドは下着のようなランニングウエア

 

二人を上から見つめる学長らしき人物のセリフ「金融の一族出身で云々」これだけでも計り知れない

 

大英帝国代表として出場するリデルとハロルド

リデルは安息日である日曜日の競技への参加の是非、アマチュアリズムに反するということから

近くのホテルから見守るハロルドのコーチ、ムサビーニの揚がった国旗に歓喜するその姿

 

ライバルのアメリカ選手団、他国は衿があるのにUSAの襟無しユニフォーム

開会式での英国皇太子のニュージーランド選手への言葉と態度

 

見どころ満載の1924年のパリオリンピックを舞台とした今だから特に深く考えさせられるこの映画

 

冒頭の告別式からの回想シーンもウイリアム・ブレイクの詩に曲をつけた英国愛国歌「エルサレム」を合唱して終わりを迎える

 

100年後の2024年パリオリンピックを前に一度ご覧になってはいかがかと…

そういえば「作家たちのオリンピック‐五輪小説傑作選‐」(PHP研究所) もぜひ

 

CharlieHaden /Pat Metheny ‐beyond the Missouri Sky‐ より The Precious Jewel を聴きながら

 

令和38月吉日

酒番 栗岩稔

 

プロフィール:木挽町路地裏の伝説の名店 bar sowhatを終え、新たなステージで日々人と酒を通して時間を提供する傍ら、ブランドマーケティング業、服飾業等の経験から事業提案、イベント企画運営、パーソナルスタイリング業も行う。2021年夏よりインターネットラジオ局にて番組パーソナリティとして参加するなど多岐にわたり活動。現在は、銀座ソニーパーク地下4階で期間限定のBar Moritaにて酒番を務める

 

〇お知らせ

6月中旬よりインターネットラジオ局 WAH ! RadioにてJazを中心として映画や本など多岐にわたり、選曲家で音楽ライター 大塚広子、垣畑真由の二人と語るカルチャー番組がオンエア中ぜひお耳にかかれますように。WAH! Radio www.wahradio.org にて公開中

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